「犬を家族に迎え入れたい」と考えている方はコロナ禍だった2020年をきっかけに増えています。
同様に、「犬を迎えることは決めているけど、犬種まではまだ決まっていない」という方も多く来店されます。(この記事を書いている日もそのようなご家族様が来店されました)
この記事では、飼い主(家族)が自分に合った犬を選ぶ際に考慮した方がいい点について解説していきます。犬種、性格、生活環境など、飼い主と犬の良好な関係を築くためのポイントについても深堀りしていきます。
犬を飼うか猫を飼うかで迷っている方はこちらをご覧いただけたら幸いです。
自分(家族)のライフスタイル、環境を理解する
どの犬種が合っているのかを深掘りしていく前に、冷静になって考えてみましょう。
そもそも、犬が飼えますか??飼える環境ですか??
仕事や趣味の日常生活から一変
平日は毎日遅くまで仕事をして、週末は趣味の釣りやゴルフに出かけて夜は仲間と居酒屋に…。という生活は一変します。
それまでより30分早く起きて仕事に行く前に散歩へ行き、仕事でどれだけ疲れて帰ってきても休む間もなくまた散歩へ行かなければいけません。週末も犬と遊ぶ時間を作る必要があります。
つまり、日常生活だった時間の中でどの程度犬に時間を消費してあげられるのか、を考える必要があります。
少しでも長い時間を犬と遊ぶ時間にしてね♬
10年後、15年後の人生設計
犬の寿命は10~15年と年々平均寿命が高くなっています。10年後、15年後の自分を想像してみてください。15年後のあなたは犬を連れて散歩に行ける体力がありますか?シニアになった犬を介護や看護をすることができますか?
高齢者の飼い主が大型犬を散歩している最中に、「他の人に飛びついて怪我をさせた」や「他の犬に嚙みついて死なせてしまった」など、今でもよくニュースで耳にします。
10年後、15年後の自分の年齢も視野に入れるべきことだと私は思います。
飼育にはある程度の金銭が必要
犬とは10年から15年という長い年月を共に生きます。その長い年月の中では様々な費用が発生します。ドッグフードはもちろん、トイレシーツやおもちゃ、ワクチン代や突発的に発生する医療費など、総額に換算すると相当な金額になります。ある程度の経済的な余裕を持つ必要があります。
最近は電気代もかなりかかるよ…
「はじめて子犬を飼う前に必要な心構え」をまとめた記事もありますので、こちらもご覧ください。
ライフスタイルに合わせた犬種の選び方
来店されたお客様から「本当は大型犬を飼いたいけどね」という声もよく耳にします。その理由は年齢であったり、賃貸物件であったりと様々です。「それでも絶対に大型犬を飼う!」と飼ってしまえば今住んでいる家を出ていかないといけなくなるかもしれませんし、自分が高齢者なら近い将来から散歩に行けなくなって犬が可哀想になるかもしれません。
ライフスタイルや家族構成を考えたうえで、まず「自分ではどうしても変えられないこと」をいくつか見ていきましょう。
「家族構成や生活環境」で犬種を考える
10年後の自分
前述した通り、犬はおよそ10年生きます。そして歳を取るのは犬だけではなく、飼い主も同じように歳を取ります。10年後の年齢や体力を考慮した犬種選びをすると良いでしょう。
10年後のことなんて誰にもわからないけどね。。
小さい子どもがいる
基本的にはどの犬種でもしつけをしっかりを行なえば人間の子どもと問題なく生活することが出来ます、しかし、中には小さい子どもが苦手に感じてしまう犬もいます。子どもが犬にいたずらをしてストレスを与えてしまう可能性も否定できません。
そんな不安を払拭するには、とても温厚で我慢強い犬種がオススメとなります。追い掛け回したり、毛を引っ張っても怒らない犬は子どもとの相性も良く、とても仲良くできます。
該当する犬種は?
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー
などの大型犬
家族に犬アレルギーがいる
家族や子どもに犬アレルギーがいる場合、被毛がシングルコートの犬を選ぶことで抜け毛が少なく、アレルギーの原因となる物質を出しにくくなる傾向があります。
しかし、アレルギーの反応には個人差があります。犬を家族に迎え入れる前にかかりつけの医者に相談することをお勧めします。
該当する犬種は?
- トイプードル
- マルチーズ
- ヨークシャーテリア
住んでいる家が狭い、庭がない
運動時間や散歩時間を多く確保できるのであれば、狭いスペースでも大型犬を飼うことはできます。しかし、場所が狭いことが犬はもちろん、そこで生活している飼い主にもストレスを与えてしまう可能性があります。
窮屈になり過ぎないよう飼育スペースの広さに応じて飼える犬の大きさが変わってくると考えてよいでしょう。また、賃貸物件によっては「小型犬のみ可」などの制約もあります。
小型犬で人気な犬種は?
- トイプードル
- チワワ
- ポメラニアン
- マルチーズ
- ミニチュアダックスフンド
など
すでに他の犬や猫がいる
社交的な犬は多いですが、中には多頭飼いに不向きな犬もいます。既に他に犬や猫を飼育している場合、社交的な性格の犬を選ぶようにしましょう。
散歩のときにすれ違う他の犬に対してどのような行動をとるかで社交的かどうか判断が出来ます。どの犬に対しても唸ったり、吠えたりする場合、多頭飼いに向いていない可能性があります。
多頭飼いに向いていない犬種は?
- 柴犬
吠えて近所迷惑は避けたい
留守中にずっと犬が吠えて近所トラブルになってしまった。という話を耳にします。
無駄吠えが多いと近隣住民から嫌がられたり、トラブルの原因になってしまう可能性もあります。比較的無駄吠えが少なく、大人しい性格の犬を選びましょう。
無駄吠えが少ない犬種は?
- フレンチブルドッグ
- パグ
- シーズー
「犬と一緒に楽しみたいこと」で犬種を考える
散歩を楽しみたい(または散歩したくない)
飼い主自身の運動不足解消やウォーキングに合わせて散歩を楽しみたいという人も多いのではないでしょうか。
犬にとって必要な運動量は犬種や大きさによって異なります。運動が好きな犬種や中~大型犬となれば十分な時間を運動させてあげることが必要です。運動不足や散歩時間の不足は噛み癖や吠え癖などの問題行動の原因になることもあるので注意が必要です。
「散歩をなるべくしたくない」という人には運動量がそこまで必要のない愛玩犬を選ぶと良いでしょう。しかし、「まったく散歩しなくて良い」わけではありません。前述の通り、運動不足が問題行動の要因になります。そしてドッグランやペットホテルやお出かけなど、外に連れて出た時に普段散歩をしていない犬は「社会性に欠けている」部分があるため、吠え続けたり、威嚇したり、というケースが多く見られます。
犬とすれ違ったり、人とすれ違うだけでも社会性の訓練になります。社会性を増す意味でも、必ず散歩は必要です。
自分がどのくらいの時間を犬の散歩に充てることができるか考えて、それより多い運動量が必要な犬種は避けた方がよいでしょう。
散歩が好きな犬種は?
- 柴犬やジャックラッセルテリアなどの小~中型犬
- ゴールデンレトリーバーなどの大型犬
- ミニチュアシュナウザー
- ジャックラッセルテリア
など
スポーツを楽しみたい
もちろん散歩も楽しみたいけど、週末にキャンプや水遊び、公園でフリスビーなどアウトドアを一緒に楽しみたいという人も多いはず。
「散歩を楽しみたい」の箇所でも記述の通り、「週末だけアウトドアに連れていく」だけでは必要な運動量が足りません。週末だけではなく、平日の散歩時間や家の中での遊びも必要になってきます。
アウトドアが好きな犬種は?
- ボーダーコリー
- ジャックラッセルテリア
- シェットランドシープドッグ
- ミニチュアシュナウザー
トリミングやヘアアレンジを楽しみたい
毛が抜けない犬種は定期的にトリミングをする必要があります。
どのようなカットにするかは飼い主次第なので、可愛くおしゃれにヘアアレンジを楽しむことができます。
ヘアアレンジを楽しめる犬種は?
- トイプードル
- マルチーズ
- ヨークシャーテリア
など
自分の性格や好みから犬種を考える
見た目(顔・体形)の好み
見た目の好みも犬種選びの大きな要素だと思います。ダックスフンドのような「胴長短足でよちよち歩く姿」やパグやシーズーのように「ペチャ顔」が好き、などそれぞれ好みのポイントも犬種選びの重要な要素です。
掃除が苦手
毛が抜ける犬種は床に抜け毛が舞うようになります。こまめに掃除をする必要があるので、毛が抜けない犬種が良いでしょう。
しかし、毛が抜けない犬種でも毎日のブラッシングは必要で、ブラッシングを怠ると毛玉になったり、皮膚の病気になってしまう場合もあるので注意が必要です。
毛が抜けない犬種は?
- トイプードル
- マルチーズ
- ミニチュアシュナウザー
- シーズー
- ヨークシャーテリア
留守がち
仕事や学校などで飼い主(家族)が誰もおらず、留守番の時間が長くなることが多い場合は、留守番が得意の犬種がオススメです。
独立心が強く、たくさんの運動量が必要ではない犬種が留守番向きでストレスを溜めにくいと言われています。
自立心がある犬種は?
- ヨークシャーテリア
- 柴犬
- 秋田犬
など
犬種が決定したら性別を決める
オスの性格・特徴
- メスより体格が大きい
- マーキング
- 遊ぶことが好き
- 甘えん坊
一般的にオスはメスより体格が大きくなり、縄張り意識も強くなるので、生後6ヶ月頃からマーキングをするようになります。去勢手術をすることでほとんどの場合治まりますが、他の犬や人に吠えやすく闘争心もあるため、しつけは必要になります。
そして、甘えん坊でかまってちゃんな性格が多いと言われています。甘えん坊をアピ-ルされて甘やかしたくなりがちですが、ワガママに育ってしまう可能性もあるため注意が必要です。
去勢のメリット、デメリットについてはこちらの記事もご覧ください。
メスの性格・特徴
- 体格は小さめ
- ヒート期間がある
- 落ち着きがある
オスと比較してもメスはおっとりしていて、攻撃性が少ないのが特徴なので、初心者には飼いやすいと言われています。体格もオスより小さくなることが多く、しつけもしやすいです。
メスはオスと違いヒート期間(生理)が年に2~3回あります。この期間は飼い主や他の犬に対して多少攻撃的になることもあります。
まとめ
ペットショップやブリーダーで一目惚れした犬を見た目や体形のみで迎え入れることは早計です。飼育環境や家族構成までしっかり考えて、そして一緒に生活をすることになる家族としっかり話し合いをしてから迎え入れる犬を決めるようにしましょう。
これから10年、ともに生きる家族になります。最後まで責任を持ってお世話をしなければいけません。自分の生活環境に合う犬はどんな犬種なのか、よく考えてみましょう。