【簡単に判明】遺伝子検査で犬猫の病気リスクがわかる!

いぬのハナシ

最近ではペットショップやブリーダーで「遺伝子検査」という言葉をよく耳にするようになったと思います。その子犬自身の遺伝子検査の結果や、両親の遺伝子検査の結果を目にしたことはありませんか?今では遺伝子検査が多くの販売業者で実施されています。

今回は子犬自身またはその親犬について遺伝性の病気がないか検査をする遺伝子検査についてまとめてみようと思います。

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遺伝子検査の疑問

遺伝子検査って? 

遺伝子が変異することで、発症する病気を遺伝子病といいます。その遺伝子の突然変異を検出する検査のことを遺伝子検査といいます。

親から子に遺伝子は伝わるので、もし親が遺伝子病を持っていた場合、その子どもにも同様に伝わっていきます。このような遺伝の要因のみで発症する病気に加えて環境が要因でその影響を受けることもあります。

最近では、技術の進歩によって簡単に遺伝子検査が行えるようになってきました。検査項目も以前と比べてもとても多くなりました。

遺伝子検査って聞くと大変そうな印象だけど

簡単に出来るんだね♬

 

必要性は?

遺伝性の病気を事前に知り、そのリスクを理解することで適切な飼い方、接し方が出来ます。そして病気が発症した場合でも早期発見や早期治療が出来、進行を遅らせるなどあらゆる治療や対処が出来るようになります。

病気の予見が出来るんだね!

検査方法は? 

専用のキットを使用し、子犬や子猫の口腔内粘膜を採取して検査機関に送り、専門の検査機関の自動解析システムにより遺伝子配列を解読し結果が判定されます。

現在多くのペットショップやブリーダーで行なわれている検査方法ですが、実は私たち個人でも検査キットを購入することで自宅で検査することが可能となるサービスもあります。ほとんどの場合、1回の検査で1~2週間程度で結果を受けることが出来ます。

自宅で手軽に出来るんだね!

ちょっと脱線トーク♬

私が働いている店舗に来る子犬や子猫のブリーダーさんのなかにもいま紹介した【Pontely】で遺伝子検査を行なっている方が多くいます。飼い主単位で簡単に調べられて安価な遺伝子検査ですが、専門家も使用しているので安心です。

 

結果は? 

遺伝子検査の結果は、検査項目ごとに「クリア(ノーマル)」、「キャリア」、「アフェクテッド」の3種類で表示されます。

クリア(ノーマル)

検査した項目での遺伝子疾患の発症はほぼ無いです。クリア同士の交配で産まれた子犬も遺伝子疾患のリスクはほとんどありません。クリアではなく、ノーマルと表記される場合もあります。

キャリア

両親のどちらかから遺伝病の原因遺伝子を受け継いでいますが、その個体には発症のリスクはありません。ただ、交配させる場合には注意が必要で、交配相手がアフェクテッドの場合、50%の確率でアフェクテッドが産まれます。

アフェクテッド

両親から遺伝病の原因遺伝子を受け継いでおり、高い確率で発症のリスクがあります。将来、要介護になる確率も高いです。アフェクテッド同士の交配は絶対にしてはいけません。

遺伝子検査は検査の試薬がそれぞれ違うので、該当する遺伝子病ごとに検査を受ける必要があります。犬種によってかかりやすい遺伝子病や重症化リスクの高い遺伝子病から優先的に遺伝子検査を受けるのが良いでしょう。

遺伝子病の症状と注意する犬種、猫種をまとめてみました!

遺伝子病の症状と注意したい犬種・猫種

進行性網膜萎縮症(PRA)

光を感じる網膜が委縮、変性してしまうことによる進行性の視力障害で、次第に視力が低下していき、最終的には失明してしまう場合もある恐ろしい目の病気です。発症の時期や進行のスピードはそれぞれ異なります。

注意したい犬種は・・・

  • プードル(トイ、ミニチュア、スタンダード)
  • ダックスフンド(カニンヘン、ミニチュア)
  • チワワ
  • ヨークシャーテリア
  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドールレトリバー     など

変性性脊髄症(DM)

脊髄の変性により、麻痺が徐々に進行していく慢性の神経障害です。下半身の麻痺症状にはじまり、次第に上半身へと広がっていきます。痛みはないとされていて、最終的には呼吸中枢が侵され、呼吸不全となって死に至ります。10歳頃から症状が見られる場合が多く、人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に似た病気とも言われています。

注意したい犬種は・・・

  • ジャーマンシェパード
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • プードル(トイ、ミニチュア、スタンダード)
  • パグ
  • ブルドッグ
  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • ジャック・ラッセル・テリア
  • ミニチュア・ピンシャー       など

GM1ガングリオシドーシス

脳や臓器、神経細胞に老廃物が蓄積してしまう中枢神経障害で、真っすぐ立てなくなる、ふらつくなどの麻痺症状にはじまり、進行すると痙攣などがみられるようになります。生後半年程度で発症し、多くの場合1歳3ヶ月頃までに死に至ります。

注意したい犬種は・・・

  • 柴犬

高尿酸尿症

尿酸の代謝異常により、尿の中に尿酸が過剰に排泄されてしまう排尿障害です。尿の中の尿酸は結石症の原因となるので、尿酸塩結石ができやすくなります。そしてそれが尿路につまることにより排尿量の減少や血尿などの症状がみられるようになります。尿道結石や尿管結石のリスクが高くなります。

注意したい犬種は・・・

  • ポメラニアン
  • ダルメシアン
  • ブルドッグ   など

第7因子欠乏症

血液を固めるタンパク質(第7因子)が欠損していることによる止血障害です。ケガや手術など出血した際に血が止まりづらくなり、出血が原因で死に至ることもあります。普段の生活の中では症状がみられないことが多いです。

注意したい犬種は・・・

  • ミニチュアシュナウザー
  • ラブラドールレトリバー
  • ビーグル   など

フォンウィルプランド病 (vWD)

血液を固めるタンパク質(フォン・ウィルブランド因子)が不足、または機能の低下による止血障害です。症状によりタイプが1~3に分類されます。

タイプ1

最も多くみられるフォンビレブランド病で、フォンビレブランド因子の活性が弱く、軽度~中度の止血異常が起こります。ほとんどの場合は無症状ですが、手術や抜歯、出産などの際には注意が必要です。

タイプ2

機能しないフォンビレブランド因子が混ざっていて、中度~重度の止血以上が起こりますが、ほとんどの場合が無症状です。こちらも手術や出産時には注意が必要です。

タイプ3

フォンビルブランド因子が無い状態です。重度の止血異常が起こる場合があります。大量出血により死に至る可能性があります。

注意したい犬種は・・・

  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • スコティッシュ・テリア
  • ドーベルマン
  • プードル(トイ、ミニチュア、スタンダード)
  • パピヨン     など
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多発性嚢胞腎(PKD)

腎臓の機能が徐々に低下していく進行性の腎障害で、疲れやすい・食欲不振・多飲多尿・嘔吐などの症状がみられます。発症する年齢や重症度には個体差が大きく、多くの場合は3歳~10歳頃に腎不全の症状がみられます。

注意したい猫種は・・・

  • ペルシャ
  • マンチカン
  • アメリカンショートヘア
  • ブリティッシュショートヘア
  • スコティッシュフォールド
  • エキゾチック
  • ヒマラヤン
  • MIX     など

ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)

ピルビン酸キナーゼという酵素が足りなくなり、赤血球が破壊されて貧血が起こります。すぐに疲れる・運動をしない・歯茎が白くなるなどの貧血症状がみられます。

発症時期や重症度は個体差が大きく、生後数ヶ月で発症する個体もいれば、5歳を超えてから発症する個体もいます。重症の場合、死に至ります。

注意したい猫種は・・・

  • ベンガル
  • ノルウェージャンフォレストキャット
  • サイベリアン
  • ラガマフィン
  • ソマリ
  • ロシアンブルー   など

肥大型心筋症(HCM)

心臓の壁が肥大する心機能障害で、少しの運動で呼吸が荒くなったり、疲れやすいなどの症状がみられます。重篤な場合、血流が悪化し血栓症を引き起こすこともあります。主に生後6ヶ月~4歳頃の発症が多くみられます。

注意したい猫種は・・・

  • ラグドール
  • メインクーン
  • ペルシャ

まとめ

病気が予見できるということは、病気の早期発見にも繋がりますし、犬猫の将来の負担を減らすことに繋がります。また、それに応じた対処・対応が早く出来るようになります。

また、キャリアやアフェクテッドと分かっていれば交配を控えることで不幸な子犬を生むことを止めることができます。

前述の通り、遺伝子検査でアフェクテッドの結果が出た場合、たしかに病気が発症する可能性はありますが、可能性があるだけで必ずしも100%発症するとは限りません。ただ、将来の病気に対して心の準備ができますので動物病院に相談してみてはいかがでしょうか。

 

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