「豆柴」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか? 「柴犬より小さくてかわいい」と思いますよね。依然として高い人気を誇る豆柴ですが、その一方で、「遺伝子操作で無理やり作られた」という噂が後を絶ちません。
この記事では、そんな豆柴の本当の姿を徹底解説します。柴犬との違いはもちろん、多くの人が誤解している「遺伝子操作」の真実、そして豆柴の誕生秘話まで、あなたが知りたいことのすべてを明らかにします。

豆柴と柴犬の違い
豆柴の定義
豆柴の「定義」は、所属する団体によって異なるため、一概にこれが正しいという唯一の定義は存在しません。この点が、豆柴をめぐる誤解や混乱の大きな原因となっています。
主要な団体における豆柴の定義と現状を解説します。
公認犬種ではない「豆柴」
まず、最も重要な点として、「豆柴」は主要な血統書登録団体から、独立した正式な犬種としては公認されていません。
- 公益社団法人 日本犬保存会:
柴犬を天然記念物として保存・普及する目的を持つ団体です。ここでは、柴犬の標準体高を定めており、その基準を満たさない小さな個体は「標準外」と見なされます。「豆柴」という表記の血統書は発行されません。
柴犬の標準体高
・オス:39.5cm(許容範囲 38.0cm〜41.0cm)
・メス:36.5cm(許容範囲 35.0cm〜38.0cm)
- 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ(JKC):
国際畜犬連盟(FCI)に加盟している日本最大の血統書団体です。ここでも「豆柴」は独立した犬種として公認されておらず、柴犬の血統書が発行されます。
このため、一般的に「豆柴」として販売されている犬は、血統書上は「柴犬」として登録されています。
「豆柴」を独自に認定している団体
一方で、「豆柴」を公認犬種として扱い、独自の基準を設けている団体も存在します。これらの団体が発行する血統書には「豆柴」と記載されます。
- 日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン):
2008年に「豆柴」を公認犬種として認めました。独自の基準を設け、成犬になった後に体高を測定し、基準内であれば「豆柴認定犬」として血統書に明記されます。
豆柴の認定基準(一例):
・オス:体高34cm以下
・メス:体高32cm以下
- 一般社団法人 日本豆柴犬協会:
豆柴の健全な育成と普及を目的として設立された団体です。こちらも独自の基準で血統書を発行し、「豆柴」と認定しています。さらに、「極小豆柴」といった細分化された呼称も存在します。
豆柴の定義をめぐる問題点
このように団体によって定義が異なることで、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
サイズの保証
ブリーダーやペットショップが「豆柴」として販売しても、成犬になった時に上記の認定基準を超えることがあります。
子犬の段階では成犬時のサイズを正確に予測することは難しいため、飼い主は意図したサイズよりも大きくなる可能性を理解しておく必要があります。
遺伝的な病気の懸念
しっかりとした犬種基準がない中で、単に小さい個体同士を交配させると、遺伝的疾患のリスクが高まったり、骨格が脆弱になったりする可能性が指摘されています。
豆柴として販売しているペットショップ
豆柴の血統書を発行する団体は、2008年に豆柴を公認したKCジャパンが代表的です。しかし、日本犬保存会やジャパンケネルクラブ(JKC)といった主要団体は、現在も豆柴を公認していません。
もし、ペットショップで「豆柴」と表示されている子犬に、KCジャパン以外の血統書が付いている場合、その犬は血統書上は「柴犬」として登録されています。
成犬になっても確実に豆柴サイズに収まる保証はないため、購入前に必ず血統書の発行団体を確認することが重要です。
豆柴認定のされ方
まず、両親が豆柴同士の交配で生まれた子犬の場合、血統書は豆柴(未測定)として発行されます。そして生後12ヶ月が経過した後、検寸をして規格内であれば豆柴(体高〇㎝)と記載されます。
そのうえで両親と、その両親(2代前の祖先)の計6頭すべてが豆柴認定犬であれば、正式に「豆柴」として認定されます。

つまり、「2代祖までの6頭すべてが豆柴認定に合格」していることが条件となるため、さきほど述べた通り、ペットショップで「豆柴」として販売されている子犬がKCジャパンの血統書かどうかが大事となるわけです。

しっかりとした合格証があるよ!
豆柴はどうやって誕生した?
柴犬の先祖は縄文時代から
では、どのようにして豆柴は誕生したのでしょうか。
縄文時代の遺跡などからも柴犬の原型と言われる骨格が出土しているそうです。このことからも柴犬の歴史がとても古いことがわかります。

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当時は柴犬の中にも種類があったとされています。美濃柴、信州柴など、それぞれの地域や地方で細分化されていました。その地域で根付いた柴と他の柴では遺伝子レベルでは別種と考えられているほど、地域によって柴犬は異なっていたと思われています。
そのような様々な種類の柴犬の中に「小柴」や「尺柴」と呼ばれる、サイズが小さい柴がいました。主にタヌキやウサギなどの動物を狩猟するために当時の人々に飼われていました。
遺伝子操作をして作り出している?
「豆柴を作り出すために遺伝子操作をしている」「近親同士で交配させて敢えて小さくしている」「健康上問題がある」など様々なことが言われがちな豆柴ですが、そんなことはありません。
前述した通り、大昔から存在している小柴、尺柴を何代も何代も長い年月掛け合わせて誕生したのが「豆柴」です。

ちょっと雑談!
世の中には悪徳ブリーダーと呼ばれるような金儲け主義のブリーダーがいることも否定できません。そんなブリーダーはもしかしたら「近親同士の交配」や「必要量のごはんを与えていない」など行っている可能性もゼロではありません。
このような理由から、豆柴を迎え入れる場合は「血統書の有無」と「血統書発行団体」を確認することがとても重要になるのです。
豆柴の特徴
性格
飼い主や家族にとても忠実で勇敢な犬種ですが、知らない人や物、場所は少し苦手です。少し神経質な面もありますが、賢く聡明な性格のため、しつけはしやすいと言われています。
しつけを通して信頼関係を築くことで愛嬌たっぷりな愛情表現をしてくれるのも魅力です。番犬に向いています。
かかりやすい病気
柴犬に多い病気は皮膚の病気(皮膚炎)、消火器系の病気、耳の病気です。
被毛はダブルコートなので、換毛期は抜け毛が大量に発生します。皮膚炎の予防のためにも定期的にブラッシングを心がけましょう。
【店長が解説】豆柴を迎える前に知っておいた方がいいこと
健康リスクを知って環境の整備をしよう
健康リスクを回避する第一歩は信頼できる所から購入すること
前述の通り、豆柴は主要団体では正式な犬種として認められていません。そのため、「ただ小さい柴犬」を掛け合わせた結果、骨格が弱かったり、遺伝的な疾患のリスクを抱えていたりする個体が存在するのも事実です。
健康で丈夫な豆柴を迎えることが、愛犬の健康な生涯を左右します。必ず、以下の点をクリアしている信頼できるブリーダーまたはペットショップから迎え入れてください。
・血統書の発行団体を確認する
豆柴を公認しているKCジャパンなどの団体が発行する血統書であるか確認しましょう。血統書上「柴犬」となっている場合は、成犬時のサイズが保証されないリスクを理解しておく必要があります。
・遺伝性疾患の情報を開示しているか
親犬や兄弟犬にてんかんやアレルギーなどの遺伝性疾患がないか、質問に明確に答えられるかを確認しましょう。
最も注意すべき「膝蓋骨脱臼(パテラ)」の予防
豆柴は一般的な柴犬に比べて体格が小さいため、骨が細く、関節に負担がかかりやすい傾向があります。特に膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう、通称パテラ)は、小型犬・超小型犬の飼い主が最も警戒すべき疾患の一つです。
パテラは「住んでいる環境」によって発症リスクが大きく変わります。

予防のポイント!
・床の滑り対策
フローリングなどの滑る床は、関節に大きな負担をかけます。サークル内だけでなく、生活スペース全体に滑り止めマットやカーペットを敷く、あるいはフロアコーティングを検討しましょう。
・段差でジャンプさせない
ソファやベッドからの飛び降り、階段の上り下りといった縦方向の衝撃は、パテラのリスクを急激に高めます。スロープを設置するか、抱っこして昇降させましょう。
・適正体重を維持する
太りすぎると関節への負担が増大します。食事量を管理し、子犬の頃から獣医師と相談しながら適正な体型を維持することが重要です。

ここが重要♬
膝の病気は、一度発症すると手術が必要になるケースも多くなります。高額な医療費を防ぐためにも、迎え入れる前の「床対策」こそが最大の予防策です。
子犬期の「早期しつけ」成功法
成功の鍵は「社会化」の時期を逃さないこと
しつけの成功は、テクニックよりも「いつ始めるか」にかかっています。犬には「社会化期」という非常に重要な期間(生後3週目〜4ヶ月頃)があり、この時期に経験したことは、その後の行動や性格の基礎となります。
豆柴は外の環境に対して神経質になりやすいため、様々な経験をポジティブに積み重ねることが、無駄吠えや人への警戒心を防ぐ最大の予防策となります。
いろんな人に会わせる。可能であれば声をかけてもらう。
ドライヤー、掃除機、雷など普段の生活のなかで発生する音を聞かせ、慣れさせる。
散歩に行き、他の犬や車、自転車などを見る経験をさせる。
(ワクチンプログラムが終わるまでの間は飼い主が抱っこして散歩しましょう)
分離不安を防ぐ「ハウス・サークル慣れ」
豆柴は忠実で家族と強く結びつく犬種ゆえに、分離不安を発症しやすい傾向があります。将来、愛犬が一人で留守番できるようにするためには、サークルやケージを「安心できる自分の場所」だと認識させることが極めて重要です。
・安心できる場所にする
ケージの中にご飯や大好きなおもちゃを与えたり、飼い主がタオルなどをかけて落ち着ける環境を作ってあげましょう。
・罰でケージやサークルを使わない
吠えたり、いたずらをしたりした時に罰としてケージに入れるのは絶対にやめてください。ケージが嫌な場所と認識し、入らなくなってしまいます。
・トレーニングは少しずつ
飼い主がケージの外に出て、1分、3分、5分と徐々に時間を延ばす練習を、子犬がリラックスしている時に繰り返します。これが「留守番」のトレーニングになります。
トイレトレーニングは「成功体験」の積み重ね
トイレトレーニングは、褒めて伸ばすトレーニングが基本です。
豆柴は賢いため、叱られる理由と褒められる理由をすぐに学習します。失敗を叱ると、「トイレすること自体がダメなことなんだ」と認識し、隠れて粗相をしたり、トイレを我慢するようになってしまいます。
・排泄するタイミングを見極める
寝起きや食後は排泄をすることが多いため、すぐにサークルに戻し、トイレの上に乗せて待ちましょう。
・成功したら大袈裟に褒める
トイレで排泄したら、すぐに「すごい!」「いい子だね!」と笑顔と声で褒めて、ご褒美をあげましょう。タイミングが遅れると、なぜ褒められたのか理解できません。
・失敗しても無視する
粗相をしても叱らず、何ごともなかったように片付けましょう。
豆柴の性格への対応策
豆柴は、飼い主や家族に忠実で愛情深い一方で、縄張り意識や警戒心が強いという日本犬特有の性質を持っています。
この「神経質さ」を理解せずに接すると、無駄吠えや噛みつきなどの問題行動に発展する可能性があります。
警戒心からくる無駄吠えへの対処法
豆柴が吠える主な理由の多くは、「警戒」「要求」「不安」のいずれかです。特にチャイムや訪問者に対して吠えるのは、縄張りを守ろうとする本能の表れです。
・インターホンへの対処
家族にインターホンを鳴らしてもらい、サークルやクレートに愛犬を移動させます。
静かにできたら、扉を開ける前に褒めてご褒美を与えましょう。これにより、「吠えなくても安心できる」「静かに待てば良いことがある」と覚えてくれます。
・要求吠えを無視する
飼い主の気を引くための要求吠え(遊んでほしい、ご飯がほしいなど)は、完全に無視してください。少しでも反応すると「吠えれば叶う」と学習してしまいます。
賢いがゆえの「頑固さ」を乗り越えるしつけルール
柴犬は「番犬」としての歴史が長いため、「自分で判断する能力」が高い犬種です。この賢さが、しつけの場では厄介な「頑固さ」として現れることがあります。
・「上下関係」ではなく「信頼関係」を築く
「絶対に服従させる」という考え方より、「この飼い主の言うことは聞く価値がある」と思わせる方が得策です。
一貫したルールと、成功体験を積み重ねるトレーニングが信頼関係を築く成功のカギとなります。
・短時間で集中して教える
豆柴は集中力が高い一方で、飽きやすい面もあります。しつけは1回3分~5分を1日に数回行うなど、短く、楽しく、テンポよく行うのが成功の秘訣です。
信頼性を高める接し方のポイント
警戒心が強い犬種にとって、不意打ちの接触は強いストレスになります。社会化期の子犬の頃から触られ慣れておくが重要です。
・触られることに慣れる
「触られること=良いこと」と覚えるため、子犬の頃から耳、口、足先など、嫌がりやすい場所を優しく触り、すぐに褒めてご褒美を与えましょう。
将来の病気の早期発見にも繋がります。
・適切な接し方、触り方
真正面から見つめたり、頭の上から手を伸ばしたりするのは、犬にとって威圧的な行為です。優しく声をかけながら、あごの下や胸元など、犬が安心できる場所を撫でてあげましょう。
・一人の時間をつくる
豆柴は一人の時間を好む傾向もあります。ずっと構うのではなく、ケージで休んでいるときはそっとしておくことも、お互いの信頼を深めるために大事なことです。
まとめ
この記事では、依然として誤解されがちな豆柴の真実と、愛犬と幸せに暮らすための専門的な知識を解説しました。
最も重要な結論として、以下の2点を改めて心に留めてください。
- 豆柴は「遺伝子操作」ではありません。 長い年月をかけて小さな柴犬を選別・交配し、誕生した犬種です。
- しかし、主要団体で公認されていないからこそ、迎え入れ先の選定とサイズ・健康のリスクを理解することが非常に重要です。

最後にメッセージ!
豆柴の魅力である賢さと忠実さを引き出すには、「充分な環境」と「正しいしつけ」の土台作りが欠かせません。
特に、関節に負担をかけない床環境の整備と、子犬期のトイレトレーニングは、愛犬の健康と飼い主の心の安定に直結する最重要課題です。
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