「年1回接種」は間違い?現役店長が最新ガイドラインで教える猫ワクチンの真実

ねこのハナシ

現役ペットショップ店長、のあちです。

子猫を迎えられた方には、私たちペットショップは「子猫のときは3回、来年からは1年に1回接種しましょう」と説明しています。

しかし、最近ネットやSNSでは「猫のワクチンは毎年打つ必要はない」「3年に一度で十分」という情報も増え、「いったいどれが正しいの?」と混乱している飼い主さんも多いのではないでしょうか?

結論から言えば、「年1回接種」がすべての猫に正しいわけではありません。 獣医学の世界では、猫の体の負担や生活環境を考慮した最新のガイドラインが推奨されています。

この記事では、数多くの猫を見てきた現役店長としての経験と最新の情報を照らし合わせ、「あなたの愛猫にとって本当に適切な接種頻度」を分かりやすく解説します。

0歳時のワクチン接種は必須

まず、はじめに強調しておきたいことは、子猫のワクチン接種は絶対に必要だということです。感染症から命を守るため、健康な猫との生活を送るためには欠かせません。

ここからはワクチン接種の目的や種類を見ていきましょう。

ワクチン接種する猫

ワクチン接種の目的

子猫はまだ免疫力が弱く、病気にかかりやすいため、必ずワクチン接種をする必要があります。特に、以下の3つの目的は非常に重要です。

感染症の予防

子猫は免疫力が弱く、病気にかかりやすいため、感染症にかかるリスクを減らすたにワクチン接種をします。

中には空気や飛沫で感染する病気もあるため、「外に出さないから大丈夫」とは言い切れません

免疫力の強化

体内の免疫システムを活性化させ、感染症への抵抗力を高めます

多頭飼いの場合や、飼い主さんが外出先から菌を持ち帰る場合にも、感染拡大を抑える役割を果たします。

ペットホテルなどサービス利用の必須条件

健康上の理由だけでなく、ペットショップなどでペットホテルを利用する場合、「1年以内に接種したワクチンの証明書」が必須となります。

証明書がないと、当然私の店舗でもペットホテルを利用することはできません。

ワクチンの種類

猫の飼い方によって、接種すべきワクチンの種類は異なります。

ワクチンには、主に3種混合5種混合があります。予防できる感染症の種類が増えるほど、混合数が増えます。

3種混合ワクチン
完全室内飼いで、他に猫がいない場合は3種混合ワクチンで十分であり、過度なワクチン接種は避けましょう

5種混合ワクチン
屋外に出る可能性がある、または多頭飼いの場合は5種混合に含まれる猫白血病ウイルスなどは、感染すると非常に深刻な病気を引き起こすためお勧めです。

最も恐れる感染症「猫パルボ」

特に子猫にとって、猫汎白血球減少症(猫パルボ)は非常に危険です。感染力が極めて強い胃腸炎で、子猫の場合は特に重篤化しやすく、最悪の場合、命を落とすこともあります。

この猫パルボを含む深刻な感染症を予防するために、3種混合以上のワクチン接種は作られています。ワクチン接種こそが、愛猫を守るための最初で最大の防御策なのです。

のあち店長
のあち店長

のあち店長の“ここだけのハナシ”

感染力が強い猫パルボは、私たちペットショップにとって最も恐ろしい感染症のひとつです。
一度店舗でで発生すると、すべての子猫を隔離し、店舗の営業にまで大きな影響が出るため、子猫がペットショップに来る前から、ワクチン接種が適切に行われているかを厳しくチェックしています。

ワクチン接種のタイミング

子猫のワクチンは、生後7〜8週で初回接種、その後約4週ごとに、合計3〜4回の接種が推奨されています。

これは、母猫からもらった「母子免疫」が消えるタイミングを見計らって、確実に免疫を作るためです。

成猫のワクチン接種も必要ではあるが:年1回は本当に古い?

0歳時の接種が必須である一方、成猫のワクチン接種については、近年、獣医学界や私たちペット業界の間でも見解が分かれてきています。

「1年に1回接種」が古いと言われる理由

かつては「毎年接種」が推奨されていましたが、最近では感染リスクの高い猫を除いて、「3年に1回の接種」を提案してくれる動物病院が増えてきました。

なぜ見解が変わってきたのでしょうか?

主な理由は、ワクチンの効果と体への負担のバランスが再評価されたためです。

抗体の持続性
最新の研究で、多くの猫でワクチン接種による免疫(抗体)が、1年以上、場合によっては3年以上持続することがわかってきました。

体への負担
頻繁なワクチン接種は、猫の腎臓に負担をかける可能性があるという報告もあります。健康を守るためのワクチンが、逆に腎不全のリスクを高める可能性も…。

店長が推奨する「適切な接種頻度」

しかし、「年1回接種は古いから、みんな3年に1回でOK」という情報は誤りです。あなたの愛猫がどちらの頻度で接種すべきかは、猫の生活環境とリスクによって異なります。

のあち店長
のあち店長

のあち店長の“ここだけのハナシ”

私たちは、当店の経験に基づく判断基準として子猫をお渡しした後も、お客様には以下の生活スタイルを具体的に確認するようお勧めしています。

高リスク猫:毎年(1年に1回)
多頭飼い、外に出る猫、またはペットホテルをよく利用する猫。他の猫と接触する可能性が少しでもある場合は、毎年のワクチン接種がお勧めです。

低リスク猫:3年に1回
完全室内飼いで、他に動物との接触がない猫。体への負担を考慮し、獣医師と相談の上、検討することがお勧めです。

のあち店長の“これだけ言わせて”

ネットの情報に惑わされず、「あなたの愛猫の生活環境をすべて把握している獣医師と相談する」のが最善です。その際、この「高リスク・低リスク」の判断基準を参考に、最適な接種計画を立ててください。

ワクチン接種の副作用

ワクチン接種は猫の健康を守るために必要ですが、残念ながらリスクがゼロではありません。予防接種後に、以下のような副反応(副作用)が出ることがあります。

・食欲がなくなる、元気がなくなる
・接種した箇所を痒がる、痛がる
・顔や目の周りが腫れたりむくみが出る
・接種した箇所にしこりができる
・アナフィラキシーショックを起こす

これらの副作用は一般的には非常に稀で、ほとんどの猫は問題なく接種できますが、特に注意すべき点を解説します。

最も気をつけたい「アナフィラキシーショック」

最も危険なのは、アナフィラキシーショックです。呼吸困難や嘔吐などの重篤な症状があり、最悪の場合は死に至ることもあります。

アナフィラキシーショックは、ほとんどの場合、接種後数十分以内に起こります。そのため、私たちペットショップでは、子猫をお客様にお渡しする際に、以下のような行動をお願いしています。

「ワクチン接種後はすぐに帰宅せず、念のため病院の待合室や駐車場などで20~30分程度、様子を見て待機してください。もし体調の変化があった場合はすぐに対応してもらいましょう」

このルールを徹底しているお店は、リスク管理をきちんと行っている優良店と言えるでしょう。

注射箇所にしこりができるリスク

もう一つ、線維肉腫などの腫瘍が注射した箇所にできる可能性も、非常に低いですが存在します。

これまでは首元や背中に注射するのが一般的でしたが、そこに腫瘍ができた場合、切除が難しくなることがありました。そのため、最近の動物病院では、万が一の際に切除しやすい後ろ脚や尻尾など、命の危険が少ない箇所に注射するケースが増えています。

リスクの回避より免疫力アップの効果が断然得策であることには変わりありませんが、副作用のリスクを知り、事前に獣医師と接種箇所について相談しておくことも大切です。

まとめ

今回は、「猫のワクチンは毎年接種すべきか?」という、多くの飼い主さんが抱く疑問について、現役ペットショップ店長としての経験と最新の情報に基づいて解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

子猫のワクチンは「絶対必須」です。

完全室内飼いであれば、3年に1回のワクチン接種を推奨する考え方が主流です。

多頭飼いや外に出る猫は、毎年接種を検討すべきです。

ワクチンには極めて稀ですが副作用のリスクもあります。しかし、深刻な病気を未然に防ぎ、愛猫の健康を守るための効果(免疫力アップ)は、リスクを遥かに上回ります。

この記事で得た知識を参考に、あなたの愛猫にとって最適な「最新の接種計画」を立ててください。

また、新しい家族を迎え入れる際、猫の健康を守るために準備すべきことは他にもたくさんあります。以下の記事では、がお客様に必ず推奨しているグッズを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

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