ペットショップ店長、のあちです。
犬や猫の飲み水には、普段どんな水を使っていますか?
毎日飲ませるものだからこそ、水道水で問題ないのか、浄水器を使った方がよいのか、気になる飼い主さんもいると思います。特に近年は「PFAS(ピーファス)」という言葉をニュースで目にする機会も増え、水の安全性について考えるきっかけになっています。
結論からいうと、日本の水質基準に適合した水道水は、健康な犬や猫の飲み水として基本的に使用できます。 ペットのために、必ずしもウォーターサーバーを用意する必要はありません。
今回は、水道水やPFASについて知っておきたいことと、浄水器・ウォーターサーバーを利用する場合の選び方を紹介します。
犬や猫に水道水を飲ませても大丈夫?
日本の水道水は、水道法に基づく水質基準によって管理されています。安全性を確保するために消毒が行われ、さまざまな物質について基準値が設けられています。
そのため、通常の水道水を犬や猫に与えることについて、過度に心配する必要はありません。
ただし、井戸水を使用している場合や、地域の水道事業者から飲用に関する注意が出ている場合は別です。また、尿路結石などの病気があり、獣医師から飲み水について指示されている場合は、その指示を優先してください。
水道水に含まれる塩素は問題ない?
水道水に含まれる塩素は、細菌などの繁殖を防ぎ、水を衛生的に保つために必要なものです。
塩素という言葉だけを聞くと不安に感じるかもしれませんが、適切に管理された水道水の残留塩素が、犬や猫に健康被害を起こすと考える十分な根拠はありません。
一方で、塩素のにおいが気になる場合には、浄水器を使うという選択肢もあります。ただし、塩素を除去した水は消毒効果が弱まるため、長時間の保存を避け、清潔な容器で管理することが大切です。
ニュースで話題のPFASとは?
PFASとは、有機フッ素化合物の総称です。水や油をはじきやすい性質などから、さまざまな工業製品に使用されてきました。
その中でもPFOSやPFOAは、環境中で分解されにくく、人の健康への影響が懸念されている物質です。

日本の水道水ではどのように管理されている?
日本では2026年4月から、PFOSとPFOAについて、水道水の水質基準が設けられました。基準値は2物質の合計で1リットル当たり50ナノグラム以下です。
水道事業者には検査と基準の遵守が求められ、基準を超えた場合には飲用を防ぐための対応や、水源の切り替えなどの措置が必要になります。
なお、基準値を超えた水を飲んだからといって、直ちに健康被害が起こるという意味ではありません。
自宅の水道水が気になる場合は、まず自治体や水道事業者が公表している水質検査結果を確認してみましょう。
PFASは犬や猫にも影響する?
PFASの健康影響については、人を対象とした研究や動物実験などをもとに評価が進められています。
ただし、家庭で飼育されている犬や猫が、飲み水を通じてどの程度のPFASを摂取すると健康に影響が出るのかについては、まだ十分に分かっていない部分があります。
そのため、「水道水を飲ませると犬や猫が病気になる」と断定することはできません。
不安がある場合は、住んでいる地域の水質情報を確認し、必要に応じてPFOS・PFOAの除去性能が確認された浄水器などを検討するとよいでしょう。


犬や猫の飲み水で本当に大切なこと
飲み水を考えるときは、水の種類だけでなく、毎日の管理方法にも目を向けたいところです。
いつでも清潔な水を飲めるようにする
犬や猫の飲み水は、基本的に毎日交換し、水皿もこまめに洗いましょう。
水を入れたままにしていると、食べかすや唾液、ほこりなどが入り、容器の内側に汚れが付着することがあります。ウォーターサーバーの浄水を使っていても、水皿の衛生管理が不要になるわけではありません。
飲む量にも気を配る
特に猫は、十分な水分を摂取できているか気を配りたい動物です。
水皿の置き場所を増やしたり、器の形を変えたりすることで、水を飲みやすくなる場合があります。ウェットフードを取り入れることも、水分摂取を補う方法の一つです。
大切なのは高価な水を選ぶことよりも、その子が無理なく水分を摂れる環境を整えることです。
浄水器やウォーターサーバーは必要?
犬や猫のためだけにウォーターサーバーを導入する必要は、基本的にありません。
ただし、家庭で飲む水の味やにおいが気になる場合や、冷水・温水・常温水を手軽に使いたい場合には、ウォーターサーバーが便利なこともあります。
特に水道水をろ過する浄水型の製品なら、重いボトルを購入する手間を減らせます。
一方で、月額料金や電気代、設置スペース、フィルター交換なども考慮する必要があります。浄水だけが目的なら、蛇口に取り付けるタイプやポット型の浄水器で十分な家庭もあるでしょう。
家庭で使いやすい浄水型ウォーターサーバー2選
ここでは、PFOS・PFOAの除去性能が公表されている浄水型ウォーターサーバーを2つ紹介します。
どちらも犬や猫専用の商品ではありませんが、家族の飲み水や料理などと一緒に使えるのが特徴です。
水道水を注いで使うタイプ
ハミングウォーターは、水道水を給水タンクに注いで使う浄水型ウォーターサーバーです。
冷水・温水・常温水を利用でき、ボトルを注文したり交換したりする必要がありません。メーカーはPFOS・PFOAなどについて、フィルターによる除去性能を公表しています。
月額利用料は税込3,410円(通常地域の場合)で、初回出荷手数料や電気代などは別途考慮する必要があります。
水道工事をせずに設置したい家庭や、飲み水だけでなく料理にも浄水を使いたい家庭に向いている製品です。
設置方法に合わせて選べるタイプ
ウォータースタンドは、水道直結型や給水型など、複数の浄水型ウォーターサーバーを扱っています。
水道直結型はタンクに水を補充する手間が少ない一方、機種によっては設置工事が必要です。給水型なら、水道との接続が難しい場所でも利用できます。
メーカーは、取り扱う全製品でPFOS・PFOAを除去できると案内しています。ただし、フィルターの方式や機能、月額料金は機種によって異なります。
給水の手間を減らしたい家庭や、設置場所に合わせて製品を選びたい家庭にとって、検討しやすいサービスです。
ウォーターサーバーを選ぶ前に確認したいこと
ウォーターサーバーは便利ですが、導入前にはいくつか確認しておきたい点があります。
まず、PFASへの対応を重視するなら、「PFAS除去」と書かれているだけで判断せず、具体的にどの物質の除去性能が確認されているのかを確認しましょう。PFASは多くの物質の総称であり、PFOS・PFOAを除去できることが、すべてのPFASを除去できることを意味するわけではありません。
また、浄水した水を衛生的に使うには、メーカーが指定するフィルター交換や清掃が欠かせません。
犬や猫に与える際は、熱いお湯や冷たすぎる水をそのまま使わず、飲みやすい温度に調整しましょう。災害への備えとして考える場合も、停電時に使用できる機能は機種によって異なるため、事前に確認が必要です。
まとめ
犬や猫の飲み水として、水質基準に適合した水道水は基本的に使用できます。ウォーターサーバーを使わなければ健康を守れない、というわけではありません。
PFASについて心配な場合は、まず地域の水質検査結果を確認することが大切です。そのうえで、必要性を感じるなら、除去性能が確認された浄水器やウォーターサーバーを選ぶとよいでしょう。
そして、どのような水を使う場合でも、清潔な容器に新しい水を用意し、犬や猫がいつでも飲めるようにしておくことが基本です。
水の種類だけにこだわるのではなく、毎日の飲みやすさや衛生管理も含めて、無理なく続けられる方法を選びましょう。

