「もふもふ」をずっと守りたい!猫のシャンプー、本当に必要な時と正しい方法

ねこのハナシ

ペットショップ店長、のあちです。

「うちの猫、シャンプーした方がいいのかな?」と思ったことはありませんか?

猫は自分で毛づくろいをするため、頻繁なシャンプーは実は不要な場合もあります。猫にとってシャンプーは自分の匂いではなく別の匂いが付着するのでとてもストレスに感じてしまいます。

ペットサロンなどでトリミングを行う場合も大半は犬で、猫のシャンプーやトリミングは断られます。こういった面でも、定期的なシャンプーは敬遠されがちです。

この記事では、シャンプーが必要になる具体的なケースから、おすすめのシャンプーまでペットショップ店長目線で徹底解説します。

シャンプーされる猫
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猫が毛づくろいをする理由

猫は本来、舌を使って自分で毛づくろいを行います。毛づくろいを行う主な理由はいくつか挙げられます。

セルフグルーミングの場合

清潔を維持

舌に小さな突起がある特殊な構造によって、自分の舌で毛玉や汚れを舐め取ります。

これで被毛が清潔な状態を保って、異物や臭いを取り除くことができます。また、毛づくろいは皮膚の血行を促進し、健康な皮膚状態を維持することができます。

冷却効果

毛づくろいによって唾液が毛に付着し、それが蒸発することで体温を下げる冷却効果があります。これは暑い日や活発に運動した後に特に見ることがあります。

毛玉の予防

毛づくろいをすることで毛玉の予防になります。

体についた汚れを落とすだけでなく、飲み込んでしまう前に抜け毛を取り除く効果があるため、胃の中で毛玉が形成されるのを防ぐのに役立ちます。

ストレスの緩和

猫はストレスや緊張を感じると毛づくろいを行います。これは自己鎮静化の一環であり、不安や緊張を和らげるための行動です。

身体の異常を見つける

特定の場所を執拗に舐める場合はかゆみ、痛みがある可能性があります。また毛づくろいの頻度が極端に減る場合も体調不良のサインかもしれません。そのような状態を飼い主がいち早く見つけることが可能です。

複数でお互い毛づくろい(アログルーミング)をする場合

愛情と信頼の表現

猫同士が舐め合う行為は、親愛の気持ちを表す行動です。

特に、血縁関係のある猫や、長年一緒に暮らしている仲の良い猫の間でよく見られます。 相手をグルーミングすることで、「好きだよ」「信頼しているよ」という気持ちを伝えています。

自分を相手に委ねる行為でもあるため、信頼関係の証と言えます。

社交性

グルーミングは、猫の社会的な繋がりを維持し、強化する役割を果たします。猫同士がお互いの毛を舐め合うことで、仲間意識や信頼感を築くことができます。

優位性の確立

一般的に、優位な立場の猫が、劣位な猫をグルーミングすることが多いとされています。これは、優位な猫が自分の地位を示す、あるいは関係性を安定させるための行動と考えられています。

グルーミングされる側の猫は、それを受け入れることで服従の意を示すことがあります。

猫にシャンプーは必要ないと言われる理由

猫のシャンプーは必ずしも必要ないと世間で言われる主な理由は以下の通りです。

セルフグルーミングしていて清潔だから

前述した通り、猫は毛づくろいをしてセルフグルーミングをします。被毛の清潔を保ち、健康な皮膚を維持することができます。

皮脂のバランスが崩れるから

毛づくろいによって皮脂トラブルを防ぎ、皮脂のバランスを整えることができます。シャンプーなどでの過剰な洗浄はこのバランスを崩す可能性があります。

ストレスになる

シャンプーは猫にとってストレスの原因になることがあります。シャンプーの匂いが気に入らない、水が怖い、ドライヤーの音や風が嫌い、などストレスになり得る要因は多くあります。

これらの理由から、健康で清潔な室内飼いの猫であれば、頻繁なシャンプーは基本的に不要と考えられています。日常的なブラッシングで十分被毛のケアができる場合が多いです。

猫にシャンプーは必要だと言われる理由

短毛と長毛で違うシャンプーの必要性

そもそも猫のシャンプーの必要性は、短毛種と長毛種で異なる場合があります。これから短毛種と長毛種に焦点を当てた違いを説明します。

短毛種の猫

定期的なシャンプーはほぼ不要

セルフグルーミング

これまで何度も述べてきた通り、セルフグルーミングは短毛種の猫で最も効果があります。そのため定期的な短い間隔でのシャンプーは不要です。

室内飼い

外に出るとノミやダニが付着、感染してしまうリスクもありますが、屋内で飼っている場合はそういった心配もほとんどないので被毛を綺麗に保つことができます。

長毛種の猫

定期的なシャンプーが必要

毛玉のリスクが高い

長毛種の猫は毛が絡まりやすく、毛玉のリスクが高まります。毛が絡まると皮膚の通気性が悪くなり、皮膚疾患の可能性が増加します。

定期的なブラッシングで毛玉予防ができますが、必要に応じてシャンプーをする必要があります。

定期的なブラッシング

長毛種の場合は、排泄後におしりが汚れてしまったりする場合もあります。普段はアルコール不使用のウェットティッシュなどで拭けば大丈夫ですが、汚れ具合によってはシャンプーをした方が良い場合もあります。

猫が屋内飼いか屋外飼いか、また猫が外に出る頻度など、生活環境・飼育環境によってもシャンプーの必要性が変わります。

皮膚トラブルの場合はシャンプー必須

猫が皮膚疾患にかかっている場合、定期的に薬用シャンプーを使用してシャンプーする必要があります。ただし、この場合獣医師の診断と判断に基づいて行うようにしましょう。

  1. 真菌感染症
    • 猫が発症した真菌感染症では、特定の抗真菌シャンプーを使用することがあります。
      シャンプーが真菌を殺菌し、被毛や皮膚を清潔に保つのに役立ちます。
  2. アレルギー性皮膚炎
    • アレルギー性皮膚炎によって引き起こされるかゆみや炎症がある場合、特定のシャンプーがアレルギーの症状を緩和し、皮膚を鎮静化させる助けになります。
  3. 乾燥した皮膚
    • 乾燥した皮膚や過剰に荒れた皮膚が問題となる場合、保湿効果のある特定のシャンプーが推奨されることがあります。

一般的に皮膚疾患の際に行うシャンプーは薬用シャンプーと呼ばれる種類のものを使用します。

シャンプーの選び方

猫に適したシャンプーは、被毛と皮膚にやさしく、同時に特定の状態に対応できるものがおすすめです。

猫のシャンプーを選ぶ際の一般的なポイントと、おすすめのシャンプーをいくつか挙げてみます。

選ぶ際のポイント

無香料・低刺激性のもの

香料や添加物は、猫によってはアレルギーの原因になることがあります。できるだけ無香料または微香性の、低刺激なものを選びましょう。

皮膚の状態に合わせたシャンプー

乾燥肌には保湿成分(セラミド、アミノ酸など)が配合されたシャンプー、皮膚炎がある猫には薬用シャンプーなどそれぞれの状態に合わせたシャンプーを選びましょう。

おすすめの猫用シャンプー

A.P.D.C. 猫用シャンプー

被毛のダメージを補修し、皮膚を健康な状態へ導く猫用シャンプー。抗酸化作用、抗菌作用の高いルイボスエキスが配合されていて潤いを保ちます。

ゾイック トリートメントインシャンプー

長毛種用、短毛種用と個別に販売されているゾイックトリートメントインシャンプーです。潤いをつくるヒアルロン酸ナトリウムや紫外線を保護するシアバターなどが配合されています。

薬用ノルバサンシャンプー

動物医薬部外品のノルバサンシャンプーは、消臭・殺菌効果があり、皮膚トラブルに使用します。

真菌感染症やアレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患の猫には数日に1回の薬用シャンプーが推奨されますが、獣医師に判断を仰いでから使用するようにしましょう。

シャンプーの手順

猫は一般的に水やシャンプー、ドライヤーに対してとても敏感でストレスに感じることがあるので、シャンプーをする際は、慎重さ丁寧さはもちろん、ある程度の速さも必要になります。

猫にシャンプーをする際の注意点をまとめてみました。

事前準備

  • シャンプーを選ぶ・・・人間用のシャンプーは絶対にNGです。猫専用のシャンプーを使用しましょう。
    「犬猫どちらも使える」シャンプーもありますが、個人的にあまりおすすめはしません。
  • ブラッシングをする・・・シャンプーを始める前にブラッシングをします。中~長毛猫は毛玉がある状態で水に濡らしてしまうと毛玉が固まってしまい取れなくなります。
  • シャンプーを泡の状態にする・・・猫用シャンプーをお湯に混ぜ、泡を作っていきます。猫を濡らしてしまってからこれをやってしまうと風邪をひくリスクが高くなるので必ず事前にやっておきます。

シャワーで濡らす~シャンプーをつける

  • お湯でゆっくり丁寧に・・・35℃程度のお湯を使って背中からかけていきます。シャワーヘッドを直接背中に当ててあげると水しぶきも起こらないのでおすすめです。
  • シャンプーを全身に・・・シャンプーが皮膚まで届くように、そしてマッサージをするように全身に泡をなじませていきます。

シャワーで流す

  • 顔付近は要注意・・・耳や鼻に水やシャンプーが入ると病気や窒息の原因となり危険です。絶対に耳や鼻には入れないようにしましょう。
    シャンプーに慣れるまでは、顔回りにシャンプーをつけるのは避けても大丈夫です。
  • シャワーで流す・・・シャワーヘッドを直接体に当てながら泡を流していきます。毛の根元付近や足の付け根に泡が残りやすいので注意しましょう。

乾かす

  • まずはタオルを使う・・・濡れたまま放置すると毛玉の原因になったり、風邪を引いてしまったりするのですぐに乾かしてあげることが必要です。
    バスタオルなどの大きなタオルで全身を包み、水分を取ってあげます。
  • 乾いたタオルに替える・・・タオルは複数枚使用し、都度替えてあげた方が早く乾きます。
  • ドライヤーを使う・・・ドライヤーを使用し、暖かい風で乾かしていきます。ドライヤーの音や風に驚いて嫌がる場合は、ドライヤーを使用せずタオルで乾かしましょう。
    ドライヤーを使用する場合は、ブラシを使いながら乾かしてあげると早く乾かすことができます。風量は弱く、熱すぎない風にすることがおすすめです。

終了

  • 湿っている箇所がないか・・・しっかり乾いているかの最終チェックをしましょう。少しでも湿っていると感じる場合はまだ完全に乾いていません。
  • ご褒美をあげる・・・頑張ったご褒美としておやつなどあげるといいかもしれません。

まとめ

猫にシャンプーが必要かどうかは、個々の猫の状態や環境によって変わります。

短毛種の猫は通常、自分で毛づくろいを十分に行えるため、定期的なシャンプーは必要ありません。一方で、長毛種の猫は毛玉のリスクが高いため、ブラッシングとともに適切な頻度でシャンプーが検討されることがあります。

どちらの場合も、猫の健康状態や生活環境により異なるため、飼い主は注意深く観察し、必要に応じて獣医に相談することが重要です。

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