【犬のしつけ】やりがちな飼い主の行動、NGしつけ5選

いぬのハナシ

現役のペットショップ店長、のあちです。

子犬を家族に迎えたら、ワクワクと同時に「ちゃんと教えられるかな?」と、しつけについて不安に感じることが多いと思います。

動物愛護法の改正により、子犬を家族に迎える頃には、犬たちはすでに社会化を学び始める大切な時期を迎えています。まさに、いろいろなルールを覚え始めるベストタイミングです。

ただ、良かれと思ってやっているそのしつけ、実は愛犬との信頼関係を壊したり、逆効果になったりしているNG行動かもしれません。

吠える、噛む、いたずら…問題行動に対するアプローチは様々ですが、今回は店長として多くの子と飼い主さんを見てきた経験から、「やりがちだけど、今すぐやめてほしいNG行動」を5つご紹介します。

ぜひ、このNG行動チェックリストで、ご自身のしつけ方法を振り返ってみてください。

厳しく叱る方がよく効く!?

「愛犬が言うことを聞かない!」「何度言ってもわからない!」

そんなとき、ついつい大きな声を出してしまったり、手をあげそうになったり…という経験、飼い主なら一度はあるかもしれません。でも、これは絶対にしてはいけないNG行動です。

「叱る」という行為には、言葉で注意することから、物理的なショックを与えることまで、様々な方法があります。

私たち人間が嫌な刺激(物理的なショックや大きな音)を与える方法は、犬のしつけにおいては非常に危険です。なぜなら、やり方を間違えると、以下のような深刻なデメリットがあるからです。

犬にトラウマを与えてしまう

飼い主さんとの大切な信頼関係が崩れてしまう

特に子犬はまだ知能が発達途中のため、厳しく叱られることの意味を理解できません。ただ「怖い」「嫌なことが起こった」と感じるだけです。

のあち店長
のあち店長

ココがポイント!

叱るときは、愛犬にもすぐに伝わるように、以下のルールを守りましょう。

  1. ハッキリとした短い言葉で:「ダメ」「ノー」「イケナイ」など、いつも一定の言葉を使いましょう。
  2. 低い声で冷静に:感情的にならず、低いトーンで伝えることが大切です。
  3. 長文の注意はNG: 「そんなことしちゃいけないでしょ!」といった長い文章での注意は、犬が理解できないので避けましょう。

この「叱る言葉」を言われたら「叱られている」とすぐに理解できるように教えるのが、しつけの第一歩です。

飼い主が失敗に気付いたときに叱っている!?

これは、飼い主が最も「やってしまいがち」なNG行動かもしれません。

例えば、「帰宅したら、絨毯の上におしっこが…!」とします。これに気付いたとき、「何してくれたの!」と愛犬を叱っても、実は全く意味がありません

これは、犬の記憶の仕組みに関係しています。犬には主に2種類の記憶があります。

短期記憶(すぐに消えてしまう記憶)

犬の短期記憶はとても短く、個体差はありますがわずか数秒〜10秒程度で忘れてしまうと言われています。

例えば、愛犬がリビングでイタズラをしたとします。あなたが1分後にそれを見つけて「ダメ!」と叱っても、犬には「イタズラしたこと」と「叱られたこと」が結びつきません。犬は、突然飼い主さんが怒り出したことに戸惑うだけです。

だからこそ、イタズラやミスをしたときは、その場ですぐに注意することが鉄則です。もし、その場で見つけられなかった場合は、叱りたい気持ちをグッと抑えて、何も言わずに静かに片付けましょう。

連想記憶(感情と結びつく記憶)

一方で、犬は感情が激しく揺さぶられたことや、何度も繰り返されたことはしっかり覚えます。これが連想記憶です。

良い連想記憶の例

  • 散歩バッグを持っただけで、愛犬のテンションがあがる
  • 特定の音(おやつ袋のガサガサ音)を出すと、無条件で駆け寄ってくる

悪い連想記憶の例

  • 病院の待合室に入ると、以前の嫌な治療を思い出して震え出す
  • 飼い主が外出用のコートを着ただけで鳴き出す
のあち店長
のあち店長

しつけでは、この連想記憶を上手に利用して、良い行動にはご褒美を与え、良い連想記憶をたくさん残してあげることが成功の秘訣です。

いたずらしたら罰としてハウスに入れた方がいい!?

犬は本来、狭い空間にいると安心できる習性があるので、クレートやケージといったハウスは犬にとってとても休められる場所です。

「もう!いたずらばかりして!反省しなさい!」と、怒りのあまりハウスに閉じ込めてしまう。これも、しつけにおいては絶対に避けてほしいNG行動の一つです。

罰としてハウスを使うことの大きなリスク

愛犬がいたずらをした罰としてハウスに入れてしまうと、犬はハウスを「嫌な場所」「叱られる場所」だと認識し、次のような深刻な問題を引き起こします。

ハウス嫌いになる

罰としてハウスに閉じ込められるとハウスを嫌な場所だと認識してしまい、自分からハウスに入ることを避けたり、ハウスに入れられることを嫌がったりするようになります。

強いストレス

普段からハウスに慣れていないと、怪我での入院や災害時の避難などでケージやクレートに入らなければならないとき、必要以上に強いストレスを感じてしまいます。

のあち店長
のあち店長

ハウスは、愛犬の命を守り、安心を提供する大切な空間です。罰を与えるために使うのは、すぐにやめましょう。

ハウスを愛犬にとって最高の場所に変えるためのコツはこちらです。

  • ハウスのなかでおやつをあげたり、おもちゃを与えて遊ばせましょう。
  • ハウスの中を一番リラックスできる寝床にしてあげましょう。
  • 自分からハウスに入ることができたら、すぐに優しく褒めてご褒美をあげましょう!

ハウスが「罰の場所」ではなく、「最高のご褒美をもらえる、安心できる場所」という連想記憶を愛犬にしっかり残してあげてくださいね。

お世話は毎回同じ時間にした方がよい!?

「ごはんは朝7時と夜20時、散歩は17時に行く」などお世話する時間を決めて、守っている方も少なくないはずです。たしかに、規則正しい生活は大切です。

しかし、時間をきっちり守りすぎるのも、実はNG行動につながることがあるんです。

犬は人間よりも体内時計が非常に正確です。そのため、「ごはんは朝7時と夜20時、散歩は17時」のように、時間を分単位で厳守しすぎると、かえって以下のような問題を引き起こすことがあります。

要求吠えの発生

普段あげている時間にごはんを貰えなかったり、散歩の時間になっても行けなかったりすると、「今がその時間だ!」と犬が興奮し、要求吠えをするようになります。

ストレスの増大

飼い主さんの都合で時間がずれたとき、犬は「予定通りじゃない!」とストレスを感じ、それがエスカレートして問題行動につながることもあります。

融通がきかなくなる

災害や急な残業など、やむを得ない事情で時間がずれた際に、愛犬がパニックになりやすくなります。

のあち店長
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ココがポイント!

ある程度の時間を決めておくのはOKですが、神経質になる必要はありません。

大切なのは、「この時間帯になれば何か良いことが起こる」という感覚です。毎日10〜30分程度、あえて時間をずらしてあげることで、愛犬は「この時間は必ず来るけど、きっかり何分とは限らないな」と学びます。

これが、要求吠えを防ぎ、愛犬が変化に強い子に育つための、しつけトレーニングになります。

愛犬のイタズラは無視した方がいい!?

「問題行動は無視しましょう」というしつけの方法を聞いたことがある方もいると思います。たしかに、注目を集めるための行動(要求吠えなど)には「無視」が有効な場合があります。

しかし、犬のすべてのイタズラをただ無視するだけでは、根本的な解決にはなりません。なぜなら、犬がイタズラをするのには、必ず理由があるからです。

そもそも、犬の行動を「イタズラ」と呼ぶのは、「人間がされて困ること」という人間の都合で決めているだけです。

犬は、決してあなたを困らせようと悪意を持って行動しているのではありません。彼らにとっての「イタズラ」は、すべて満たされない本能的な欲求を満たすための行動なんです。

例えば、「退屈だ、遊んでほしい!」という運動欲求やコミュニケーション欲求のサインかもしれませんし、「歯がかゆい、何かを噛むものがほしい!」という噛む欲求の表れかもしれません。また、不安やストレスを抱えているときに、それを紛らわせるために何かを破壊してしまうこともあります。

このような犬の本能的な行動を、飼い主さんが理由も知らずにただ無視したり、無理やり力でやめさせようとしたりすると、愛犬はその欲求を別の形で満たそうとします。結果的に、もっと困る行動(要求吠えや自傷行為など)がエスカレートしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

のあち店長
のあち店長

無視ではなく「要求を理解する」こと!

本当に大切なのは、「イタズラを無視すること」ではなく、「愛犬が何を求めているのか」を理解し、「その欲求を正しい方法で満たす」ことです。

例えば、家具を噛むというイタズラがあれば、それは「噛む欲求」が満たされていない証拠なので、固い噛むおもちゃを与えるという対策を取ります。

あなたにとっての「困った行動」は、愛犬の「満たされない要求」のサインです。そのサインを無視せず、犬の気持ちになって解決策を提供してあげることが、問題行動を根本からなくす最短ルートです。

まとめ

いかがでしたか?今回ご紹介した5つのNG行動のなかに、「あれ?私もやっていたかも…」というものはありましたか?

犬のしつけは、決して恐怖や苦痛を与える罰で行うものではありません。むしろ、罰を与えてしまうと、愛犬との信頼関係が崩れて、現状をさらに悪化させてしまう可能性があります。

大切なのは、愛犬の性格や個性、私たちとの関係性をしっかりと見てあげることです。どんな犬にも効く「特効薬」のようなしつけはありません。

焦らず、根気よく、そして何より愛犬の気持ちに寄り添いながら、良い行動をどんどん褒めて伸ばしてあげるというポジティブなアプローチで、トレーニングを続けてみてくださいね!

私たち人間と犬が、お互いに気持ちよく生活できるルールを、少しずつ築いていきましょう!

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