現役ペットショップ店長、のあちです。
犬を迎えるとき、ケージやトイレ、フードと一緒に「ベッドも用意しましょう」と言われることがあります。実際、私の勤務先でもお迎え時にはベッドをおすすめしています。
ただ、特に子犬の場合は、せっかく買ったベッドを噛んで壊したり、トイレ代わりにしてしまったりすることも珍しくありません。
「犬にベッドって本当に必要なの?」
そう聞かれたら、個人的には「将来的にはあった方がいい。でも、迎えたばかりの子犬に絶対必要とまでは思わない」というのが答えです。
この記事では、犬用ベッドの必要性や選び方だけでなく、使ってくれない、噛んで壊す、トイレにしてしまうといった、店頭でもよくある悩みについて紹介します。
犬用ベッドは、買えば必ず使ってくれるものではありません。特に子犬なら、最初はブランケットやバスタオルなどから始める方法もあります。

犬用ベッドは本当に必要?
犬が安心して休める場所を用意しておくことは大切です。
ただし、その場所が必ず市販の「犬用ベッド」でなければならないわけではありません。
実際、ベッドを用意しても床で寝る犬もいますし、クレートやお気に入りの場所を寝床にする犬もいます。

「床で普通に寝ているんですが、ベッドは必要ですか?」と聞かれたら、「あってもいいと思いますよ。ただ、買っても使うかは分かりませんけどね」という感じです。
せっかく買ったベッドを使わないと、「どうにかして寝かせないと」と考えてしまうかもしれません。
でも、その犬が別の安全な場所で落ち着いて休めているなら、ベッドで寝ること自体を目的にする必要はないでしょう。
一方、寒い時期や床の硬さ・冷たさが気になる場合、シニア犬など寝床への配慮が必要な場合には、ベッドやマットを用意する意味があります。
「犬にはベッドが絶対必要」ではなく、その犬が快適に休める場所を作るための選択肢の一つと考えると分かりやすいと思います。
子犬なら立派なベッドじゃなくてもいい
犬を迎えることが決まると、いろいろな用品を揃えたくなります。
かわいいベッドを選んで、「ここで寝てくれたら」と想像するのも犬を迎える楽しみの一つです。
ただ、子犬は飼い主の想像通りに使ってくれるとは限りません。
ベッドを噛む。振り回す。中綿を出す。そして、なぜかトイレにする。
こうしたことは珍しくありません。

子犬がベッドを噛んで壊したり、トイレにしてしまったりするのはあるあるです。
個人的には、迎えたばかりならブランケットやバスタオルから始めてもいいと思っています。
もちろん、最初からベッドを用意するのが間違いというわけではありません。
ただ、「犬を迎えるなら高価なベッドも絶対に用意しなければ」と考えなくても大丈夫です。
汚れたら洗えるもの、壊されても買い替えやすいものから始め、犬の様子を見ながらベッドを選んでも遅くありません。

犬用ベッドを選ぶなら、まずサイズを確認する
犬用ベッドを購入するとき、最初に確認したいのはサイズです。
同じ小型犬でも体格は違いますし、メーカーによってS・M・Lなどの基準も異なります。
犬が横になったときに体が収まらないほど小さなベッドは避け、無理なく休める大きさを選びましょう。
一方、「大きすぎると犬が落ち着かない」といった説明を見かけることもありますが、個人的にはある程度大きいこと自体はそれほど問題だとは考えていません。
サイズ表記だけで決めず、商品の実寸を確認しましょう。
特に通販では「小型犬用」「Mサイズ」だけで判断せず、ベッドの内寸や実際に犬が寝られるスペースまで確認すると失敗を減らせます。
ラウンド型とスクエア型なら、どっちがいい?
犬用ベッドには、ラウンド型、スクエア型、マット型、ドーム型などさまざまな形があります。
店頭で一般的に選びやすいのは、ラウンド型やスクエア型です。
「丸まって寝る犬にはラウンド型」「体を伸ばして寝る犬にはマット型」といった選び方もありますが、必ずしも寝方だけで決める必要はありません。
実際の店頭でも、私はそこまで細かく寝相を聞いてベッドを案内しているわけではありません。
まずは犬の体格に合っているか、季節に合っているか、そして予算。このあたりから考える方が現実的です。
また、屋根の付いたドーム型もありますが、少なくとも私の勤務先では犬用としてそれほど多く売れるタイプではありません。
見た目だけで決めるより、犬が出入りしやすいか、洗いやすいかなども確認して選びましょう。
季節に合わせてベッドやマットを選ぶ
犬用ベッド売り場では、季節によって商品が入れ替わります。
夏には接触冷感素材を使ったベッドやマット、冬にはボアやフリースなどを使った暖かい商品が多く並びます。
ただし、季節が変わるたびに必ずベッドを買い替える必要があるわけではありません。
室内の温度や犬の様子を見ながら、必要なものを選びましょう。
夏は冷感マットも選択肢
私の勤務先では、夏になると冷感マットは比較的よく売れます。
通常のベッドより薄く、床に敷いて使えるタイプも多いため、暑い時期の寝床として取り入れやすい商品です。
ただし、冷感マットを敷いたから熱中症対策が十分になるわけではありません。
室温や湿度の管理、飲み水などを基本にしたうえで、犬が休む場所を快適にするための用品として考えましょう。
暑い時期の寝床を作りたいなら
夏は、洗いやすい接触冷感タイプのマットも選択肢になります。
犬が使ってくれるか分からない場合は、最初から高価なものを選ばず、サイズ・洗濯方法・素材などを確認して選んでもいいでしょう。
冬は室温も含めて考える
冬用には、ふわふわした素材のベッドや保温性を意識した商品が多く販売されています。
ただ、店頭での売れ方を見ると、私の勤務先では夏の冷感用品ほど冬用ベッドが大きく動くわけではありません。
暖房を使用している家庭も多いため、「冬になったら必ず冬用ベッド」と考える必要はないでしょう。
室温や犬種、年齢、犬が寒がっていないかなどを見ながら調整してください。
寒い日の散歩については、犬服を利用する方法もあります。
→ 犬に服は必要?着せる意味と失敗しないサイズの選び方

犬がベッドを使ってくれないときは?
「せっかくベッドを買ったのに、全然寝てくれない」
犬用ベッドではよくある悩みです。
まず考えたいのは、本当にそのベッドで寝てもらう必要があるのかということ。
犬が床やクレートなど別の安全な場所で落ち着いて寝ているなら、無理にベッドへ移動させなくてもいいでしょう。
それでも使ってほしい場合は、置き場所を変えたり、普段使っているブランケットなどを置いたりして様子を見る方法があります。
ベッドの上でおやつを与えるなど、ベッドに良い印象を持ってもらう方法を試してみてもいいでしょう。
ただし、「高かったから使ってほしい」は人間側の事情です。
いくつか試しても使わないなら、「この子はこのベッドが好きじゃなかったんだな」と諦めるのも選択肢だと思います。
子犬がベッドを噛んで壊すときはどうする?
子犬がベッドを噛むのも、珍しいことではありません。
少しくらい噛むだけなら様子を見られる場合もありますが、生地を破って中綿を引っ張り出すようになったら注意が必要です。
中綿や布などを飲み込んでしまう可能性があるため、壊れたベッドをそのまま使わせないようにしましょう。
何度ベッドを買ってもすぐ壊してしまうなら、無理に買い替え続ける必要もありません。
ブランケットなど別の寝床に変える、犬が落ち着いてきてから改めてベッドを試すなど、その子に合わせて考えてみてください。
ベッドや布、中綿などを飲み込んだ可能性がある場合は、「便と一緒に出るだろう」と自己判断せず、動物病院へ相談してください。
ベッドをトイレにしてしまうのも珍しくない
きれいなベッドを買った翌日におしっこをされる。
これも子犬では珍しいことではありません。
トイレトレーニング中の子犬なら、まだ寝る場所と排泄する場所を完全に理解できていないこともあります。
そのたびに洗うのが大変なら、一時的にベッドを外してしまう方法もあります。
だからこそ、迎えたばかりの時期は洗いやすさも重要です。
「ずっと使える高級なベッド」を最初から探すより、まずは犬との生活が落ち着いてから、その子に合ったものを探してもいいと思います。
シニア犬は若い犬と同じベッドでいい?
年齢を重ねると、寝て過ごす時間が増えたり、立ち上がりにくくなったりする犬もいます。
そのためシニア犬では、単にデザインや価格だけでなく、出入りのしやすさや寝ているときの体への負担も考えて選びたいところです。
縁が高すぎてまたぎにくいものは避ける、滑りやすい場所にベッドを置かない、汚れたときに洗いやすいものを選ぶなど、その犬の状態に合わせて考えます。
関節疾患などがある犬の場合は、「シニア犬用」と書かれている商品だけで自己判断せず、寝床について獣医師へ相談してもいいでしょう。
結局、犬用ベッドはどれを選べばいい?
店頭で犬用ベッドを選ぶなら、私はまずサイズ・季節・価格を見ます。
そして子犬なら、もう一つ。
「噛んだり、トイレにしたりするかもしれない」
ということも考えて選んでください。
最初から何年も使うつもりで高価なベッドを購入しても、翌日に破壊されるかもしれません。
逆に成犬になってお気に入りの寝場所が決まってきたら、その犬が快適に休めるベッドをじっくり探してもいいでしょう。
犬用ベッドは、犬を飼ったら必ず買わなければならないものではありません。
大切なのは、ベッドを使わせることではなく、その犬が安心して休める場所を用意することです。

ベッドを買っても使うかどうかは犬次第です。
特に子犬なら「絶対に必要」と考えず、その子の様子を見てから選んでも遅くないと思います。

